「サ高住」と「有料老人ホーム」のちがい — 名前では分かれない
サービス付き高齢者向け住宅は賃貸住宅、有料老人ホームは施設です。ただし、サ高住が食事や介護を提供していれば法律上は有料老人ホームにも該当します。名前で選ばず、契約の形と「介護を誰が提供するか」で見るための整理です。
住まいを探し始めると、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」と「有料老人ホーム」が並んで出てきます。
パンフレットを見比べても、書いてあることがよく似ています。 それもそのはずで、名前だけでは分かれません。
出発点が違う
まず、法律の根拠が違います。
| サービス付き高齢者向け住宅 | 有料老人ホーム | |
|---|---|---|
| 根拠 | 高齢者の居住の安定確保に関する法律 第5条 | 老人福祉法 第29条1項 |
| 手続き | 都道府県知事等への登録 | 都道府県知事等への届出 |
| 位置づけ | 高齢者向けの賃貸住宅 | 施設 |
サ高住は住宅、有料老人ホームは施設。ここが出発点です。
サ高住の登録制度は、国土交通省と厚生労働省の共管として作られました。住宅の政策と介護の政策が重なるところにあります。
サ高住には、必ずあるもの
サ高住の登録基準には、住宅の条件とサービスの条件があります。
住宅の条件
- 床面積は原則25㎡以上
- 便所・洗面設備等の設置
- バリアフリー
サービスの条件
- 少なくとも状況把握(安否確認)と生活相談サービスを提供すること
そして、ケアの専門家が少なくとも日中は建物に常駐して、これらを提供します。
逆に言えば、必ずあるのはここまでです。食事も介護も、登録の必須要件ではありません。
ここが肝心:サ高住が有料老人ホームになる
多くの人が知らない部分です。
サ高住が、必須の見守りサービスに加えて次のいずれかを実施している場合、そのサ高住は有料老人ホームに該当します。
- 食事の提供
- 介護の提供
- 家事の供与
- 健康管理の供与
食事を出しているサ高住は珍しくありません。つまり、「サ高住」と名乗っていても、法律上は有料老人ホームでもあるということが起こります。
名前で区別しようとすると、ここで行き詰まります。
では、何を見るか
見るところは2つです。
① 契約の形
賃貸借契約なのか、利用権の契約なのか。
住宅として借りるのか、施設に入居するのか。退去のときの扱いや、初期費用の性格が変わります。
「どういう契約になりますか」と聞けば説明されます。契約書は見せてもらってから決めて構いません。
② 介護を、誰が提供するのか
同じくらい大事なところです。
- その建物の職員が提供するのか
- 外部の事業所と、別に契約して受けるのか
外部と契約する形なら、介護の中身はケアプラン次第になり、住まいと介護は別々に選べます。建物側が提供する形なら、まとめて決まります。
どちらが良いという話ではありません。 ただ、聞かないと分かりません。
聞き方は、これで足ります。
「介護は、こちらの職員の方が入るのですか。それとも外部の事業所と別に契約するのですか」
見学のときに、一緒に聞いておくこと
住まいの見学は、費用と食事の話で終わりがちです。ついでに聞いておくと、あとで効くものがあります。
- 夜間は誰がいるか(常駐は日中が要件です。夜がどうなるかは別に聞く)
- 具合が変わったとき、どこまで対応するか
- 状態が変わったときに、住み続けられるか
- 看取りまで対応するか(施設の「看取り」は、入る前に聞いていい)
最後の2つは、入る前のほうが聞きやすい話です。
この記事で扱っていないこと
どちらが向いているかは書いていません。体の状態、必要な介護の量、費用、通える距離で変わります。
ここで整理したのは、名前で判断しないための見方——契約の形と、介護を誰が提供するか——の2つです。
CareReady は、入院・ショートステイ・施設利用の持ち物を家族が確認するためのチェックリストです。住まいを選ぶためのものではありませんが、見学や短期利用のたびに同じ確認を繰り返す部分を、手元に残しておけます。登録は不要です。
ご注意: 登録基準・提供されるサービス・契約の内容は、事業者や自治体によって異なります。制度も改正されます。実際の判断は、担当のケアマネジャー、お住まいの市区町村の窓口、および入居先の事業者にご確認ください。
参考: 国土交通省 サービス付き高齢者向け住宅/制度について(サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム)/厚生労働省 高齢者向け住まいを探している方へ(ガイドブック)
よくある質問
サ高住と有料老人ホームは何がちがいますか?
出発点が違います。サービス付き高齢者向け住宅は高齢者の居住の安定確保に関する法律にもとづく賃貸住宅で、都道府県知事等への登録制。有料老人ホームは老人福祉法にもとづく施設で、届出制です。
サ高住には必ず何が付いていますか?
登録基準として、床面積は原則25㎡以上、便所・洗面設備等、バリアフリー。サービスは少なくとも状況把握(安否確認)と生活相談です。逆に言えば、必ずあるのはここまでで、食事も介護も必須要件ではありません。
名前で見分けられますか?
見分けられません。サ高住が必須の見守りに加えて食事の提供・介護の提供・家事の供与・健康管理の供与のいずれかを行っている場合、そのサ高住は有料老人ホームに該当します。名前ではなく、契約の形を見てください。

今日も、読んでくださってありがとうございます。