今日できたことを数える、という発想

介護の一日は、「できなかったこと」ばかりが目につきます。夜に数えるものを変えてみたら、少し違って見えるかもしれない——そんな小さな提案です。

一日の終わりに、頭の中で今日を振り返るとき。浮かんでくるのは、どんなことでしょうか。

「デイサービスの連絡帳、書き忘れた」「つい強い言い方をしてしまった」「リハビリ、今日もできなかった」——。

不思議なもので、できなかったことは、数えなくても向こうからやってきます。 一方で、できたことは、意識して数えないと消えていきます。朝、時間どおりに薬を渡せたこと。着替えを手伝ったこと。ほんの数分でも、一緒に笑ったこと。当たり前すぎて、数に入れてもらえないのです。

数えるものを変えてみる

そこで、小さな提案です。夜、今日を振り返るときに、数える対象を「できなかったこと」から「できたこと」に変えてみる。

やることは簡単で、「今日できたことを、ひとつ挙げる」だけ。立派なことでなくていい。「ごはんを作った」「様子を見に行った」で十分です。介護をしている人の一日には、本人が思っているよりずっと多くの「できたこと」が詰まっています。ただ、誰もそれを数えていないだけで。

これは「ポジティブに考えましょう」という話ではありません。無理に前向きになる必要はないし、つらい日はつらいままでいい。ただ、事実として存在した「できたこと」を、事実として残す。 それだけのことです。

書き残すと、積み重なる

頭の中で数えるだけでもいいのですが、書き残すと、もうひとつ良いことがあります。あとから見返せることです。

一週間分の「できたこと」が並んだ画面は、ちょっとした証拠品です。自分ではたいしたことをしていないつもりでも、並んだ記録は「この一週間、あなたはこれだけやった」と示してくれます。誰に見せるためでもなく、自分のために。

CareQuest という小さな Web アプリを作ったのは、この「できたことを残す」を、いちばん簡単なかたちにしたかったからです。無料で、登録なしで、記録は端末の中だけ。連続記録のカウントも、他の人との比較もありません。詳しくはこちら

そして、アプリを開くとこんな一行が灯ります。「今日も、どこかで誰かが介護しています。」——数えているのは、あなただけではありません。

今夜、寝る前に、ひとつだけ数えてみてください。今日、あなたができたことを。

今日も、読んでくださってありがとうございます。