「高額療養費」とは — 2026年8月から「年間上限」ができました

医療費の自己負担には月ごとの上限があり、2026年(令和8年)8月からは新たに年間の上限も設けられました。年間は8月から翌年7月まで。多数回該当、窓口で上限までにする方法、介護のほうの制度との違いを整理します。

介護のお金の話は目にする機会が多いのですが、医療費のほうの上限は意外と知られていません。

そして2026年(令和8年)8月から、仕組みがひとつ増えました。

月の上限に加えて、年の上限ができた

高額療養費は、1か月の医療費の自己負担に上限を設ける制度です。上限を超えた分は戻ってきます。

ここに、令和8年8月から「年間上限」が加わりました。

令和8年8月からは新たに年単位の上限額を設ける「年間上限」が設けられ(略)年間とは、8月から翌年7月までを指します

区切りが4月でも1月でもなく、8月です。ここは間違えやすいところです。

月ごとの上限が積み上がっても、年間の上限に達したあとは、それ以上の支払いが不要になります。入院と通院が続く時期には、効いてくる仕組みです。

3か月を超えたら、4か月目から軽くなる

もうひとつ、長く続く人向けの仕組みがあります。

直近12か月の間に高額療養費に該当した月が3か月以上ある場合は、4か月目以降は自己負担限度額が更に軽減される「多数回該当」

令和8年8月からの見直しでも、この多数回該当の金額は維持されています。

窓口で上限までにする方法

あとから戻ってくる形だと、いったん立て替えることになります。手術や入院ではまとまった額になります。

先に上限までにする方法があります。

この取扱いを受けるには、マイナ保険証をご利用いただくか、事前に「限度額適用認定証(認定証)」を入手していただく必要があります

つまり、マイナ保険証を使えば、認定証を取りに行かなくて済むということです。使っていない場合は、加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合・国保など)に認定証を申請します。

入院が決まったら、早めに。当日では間に合わないことがあります。

いくらになるのかは、収入で変わる

上限額は所得の区分によって決まります。

厚生労働省が挙げている例では、70歳未満・年収約370万円〜約510万円の方が医療費100万円の治療を受けた場合、自己負担は約9.3万円まで抑えられるとされています。

金額の区分は令和8年8月に見直され、令和9年8月には所得区分がさらに細かくなる予定です。

この記事に金額の表は載せません。 変わったばかりで、来年も動きます。自分の区分がいくらになるかは、加入している健康保険に直接聞くのが確実です。厚生労働省の高額療養費制度のページにも案内があります。

介護のほうの制度とは別

名前が似ているので混ざりますが、別の制度です。

対象
高額療養費医療費の自己負担
高額介護サービス費介護保険サービスの自己負担

それぞれに上限があり、それぞれに申請の窓口があります。 医療のほうは加入している健康保険、介護のほうは市区町村です。

在宅介護では、両方が同時に発生していることがよくあります。片方だけ手続きして、もう片方を見落とす形になりやすい部分です。

覚えておくと効くこと

  • 区切りは8月。年間上限の年度は8月から翌年7月
  • 3か月を超えたら4か月目から軽くなる(多数回該当)
  • 入院が決まったら、先に上限までにする手続き(マイナ保険証か認定証)
  • 医療と介護は別々に申請する

この記事で扱っていないこと

自分がいくらになるかは書いていません。所得区分と、2026年8月・2027年8月の見直しによって変わるためです。

ここで整理したのは、そもそもどういう仕組みがあって、いつ何を聞けばいいかです。


CareQuest は、その日のことを短く残すための記録アプリです。費用の計算をするものではありませんが、入院や通院が続く時期に「いつ・何があったか」を残しておけば、手続きのときに日付を思い出しやすくなります。無料・登録なしで開けます。

公開中の CareQuest について


参考: 厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ

ご注意: 制度の内容・金額・所得区分は、加入している健康保険や改正の時期によって異なります(令和8年8月・令和9年8月に見直しがあります)。ご自身の上限額は、加入している健康保険にご確認ください。

よくある質問

高額療養費の年間上限は、いつからいつまでですか?

令和8年(2026年)8月から年間上限が設けられ、年間とは8月から翌年7月までを指します。区切りが4月でも1月でもなく8月なので、間違えやすいところです。

長く続くと、負担は軽くなりますか?

直近12か月の間に高額療養費に該当した月が3か月以上ある場合、4か月目以降は自己負担限度額がさらに軽減される「多数回該当」という仕組みがあります。令和8年8月からの見直しでも、この金額は維持されています。

窓口での支払いを先に上限までにできますか?

できます。マイナ保険証を使うか、事前に限度額適用認定証を入手する必要があります。入院が決まったら早めに手続きしてください。金額の区分は所得によって決まり見直しも続くため、自分の区分は加入している健康保険に直接ご確認ください。

今日も、読んでくださってありがとうございます。