「介護保険料」とは — 40歳から払い、65歳で仕組みが変わる
介護保険料は40歳から払い始めますが、65歳で決まり方も払い方も変わります。市町村が3年ごとに決めること、所得段階の境目が年金額に連動して動くこと、そして「払うこと」と「使えること」は別だということを整理しました。
給与明細や年金の通知で見かけるものの、中身を見たことがないまま払っている人が多いのが介護保険料です。
親の介護が始まって、はじめて気になる。そういう順番になりがちです。
40歳から払う。でも65歳で別物になる
介護保険料は40歳からです。ただし、65歳を境にまったく違う仕組みに切り替わります。
| 40〜64歳(第2号被保険者) | 65歳以上(第1号被保険者) | |
|---|---|---|
| 誰が集めるか | 加入している医療保険 | 市町村 |
| 払い方 | 医療保険の保険料と一体で徴収 | 年金からの天引き、または納付書 |
| 金額の決まり方 | 加入している医療保険による | 市町村が決める |
「65歳になったら介護保険料の通知が別に来るようになった」のは、そこで担当が変わったからです。二重に払っているわけではありません。
65歳からは、住んでいる市町村で違う
第1号の保険料は、市町村ごとに違います。
決め方はこうなっています。
- 3年間の財政の見込みを立てる
- それをもとに議会で介護保険条例を改正して決める
つまり3年ごとに見直され、条例で決まるものです。同じ収入でも、住んでいる市町村が違えば金額が違います。
引っ越すと変わるのは、そのためです。
所得段階と「基準額」
第1号の保険料は、所得段階別の定額です。段階ごとに倍率が決まっていて、第5段階が基準(1.0倍)になります。
その上下に段階があり、収入が低い段階ほど倍率が下がります。市町村民税が世帯全員非課税の段階に当たる人は、65歳以上全体の約3割です。
境目は、年金額に連動して動く
ここが分かりにくいところです。
段階の境目——特に第1段階と第2段階のあいだ、第4段階と第5段階のあいだ——は、老齢基礎年金(満額)の支給額相当を踏まえて設定されています。
年金額が改定されると、境目も動きます。
去年と収入が変わっていないのに段階が変わることがあるのは、自分ではなく、境目のほうが動いたからです。
年金から引かれる場合と、そうでない場合
65歳以上の保険料には、2つの集め方があります。
- 特別徴収 — 年金から天引き
- 普通徴収 — 納付書や口座振替
年金の額などによってどちらになるかが決まります。選べるものではありません。
天引きだと通知を見ないまま過ぎがちですが、通知は毎年届きます。段階が変わっていないかは、そこで分かります。
「払うこと」と「使えること」は別
ここが一番混ざります。
- 払うのは40歳から
- 使えるのは原則65歳から
ただし例外があります。40〜64歳でも、「特定疾病」に該当して介護が必要になれば使えます。 パーキンソン病関連疾患・ALS・末期がんなど、全16種が定められています。
つまり、「まだ65歳じゃないから介護保険は関係ない」とは限りません。
保険料を払っている期間の長さで、使えるサービスが増えたり減ったりすることもありません。年金とはそこが違います。
通知は、捨てずにためておく
介護保険料の通知は毎年、要介護認定の更新も期限つきで来ます。
届いたらその場でスキャンして、年ごとのフォルダに入れておく——これだけで、あとの手続きがだいぶ楽になります。
高額介護サービス費の申請、確定申告の医療費控除、区分変更のときなど、過去の書類を求められる場面は繰り返し来ます。 探すところから始めると、そのたびに時間がかかります。
この記事で扱っていないこと
自分の保険料がいくらになるかは書いていません。市町村ごとに違い、3年ごとに変わり、段階の境目も年金額で動くためです。
金額と段階は、お住まいの市区町村の介護保険担当に聞くのが確実です。 通知に段階が書かれているので、それを手元に置いて聞くと早く済みます。
CareQuest は、その日のことを短く残すための記録アプリです。保険料の計算や申請をするものではありませんが、「いつ通知が来たか」「いつ手続きをしたか」を短く残しておけば、次に同じ書類を探すときの手がかりになります。無料・登録なしで開けます。
ご注意: 保険料の金額・段階・徴収方法は、お住まいの市区町村や加入している医療保険によって異なり、3年ごとの改定でも変わります。ご自身の保険料については、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口にご確認ください。
参考: 厚生労働省 第1号保険料について(現行制度の仕組)/介護保険料等における基準額の調整(社会保障審議会介護保険部会 第126回・令和7年10月9日)
よくある質問
介護保険料は何歳から払いますか?
40歳からです。ただし65歳を境に仕組みが変わり、40〜64歳は加入している医療保険が医療保険料と一体で集め、65歳以上は市町村が集めます。二重に払っているわけではありません。
同じ収入なのに、住む場所で保険料が違うのはなぜですか?
65歳以上の保険料は市町村ごとに決まるためです。3年間の財政の見込みをもとに議会で介護保険条例を改正して決める仕組みで、3年ごとに見直されます。引っ越すと変わるのはそのためです。
40〜64歳でも介護保険は使えますか?
原則は65歳からですが、特定疾病に該当して介護が必要になれば使えます。パーキンソン病関連疾患・ALS・末期がんなど全16種が定められています。「まだ65歳じゃないから関係ない」とは限りません。

今日も、読んでくださってありがとうございます。