指がうまく動かない日の、「声」というボタン

細かい操作がむずかしくなるのは、意志の問題ではありません。体の変化に道具のほうが合わせる——声と大きなボタンで使える「かんたん家族サポート」の考え方。

スマートフォンの文字が、小さすぎる。

画面の端の小さなボタンに、指がうまく当たらない。震えでダブルタップになってしまう。長押しのつもりが、スワイプになる。——年齢や病気で体が変わっていくと、「操作できない」のではなく、道具のほうが体に合わなくなっていきます。

パーキンソン病のように手の震えやこわばりが出る病気なら、なおさらです。本人は昨日までできていたことを、道具のせいで「できなくなった」と感じてしまう。それは、とてももったいない誤解だと思うのです。

操作を「覚える」ことも、仕事になる

体だけではありません。新しいアプリの使い方を覚えること、パスワードを思い出すこと、どの画面のどこを押すんだったかを記憶しておくこと。これも歳を重ねるほど、少しずつ重い仕事になります。

家族が横にいれば教えられます。でも、離れて暮らしていたら? 電話ごしの「右上の三本線のところ」は、なかなか伝わりません。

私たちは、この問題を「本人にがんばってもらう」方向では解きたくありませんでした。

体に合わせるのは、道具の仕事

かんたん家族サポート は、その考えで作った1枚のページです。

  • ボタンは大きく、数は少なく。 画面の端の小さなアイコンを狙う必要はありません。指が多少ずれても押せる大きさにしています
  • 話せば、文章になる。 キーボードがむずかしい日は、声で話せばそのまま文字になります。コピーして、AI への質問にも、家族へのメッセージにも使えます
  • 押せば、家族につながる。 電話・LINE・Alexa。設定した家族の名前で「◯◯に電話する」と表示されるので、迷いません
  • 「牛乳を買ってきて」も、声で。 おねがいノートに声でためて、LINE でまとめて家族に送れます

覚えることは、ひとつだけ。「困ったら、このページ」。あとの分岐は、ページの側が引き受けます。

「自分でできた」を、道具が奪わないこと

いちばん大切にしているのは、ここです。

体が変わっていく中で、家族に全部やってもらうことは、便利さと引き換えに「自分でできること」を少しずつ手放すことでもあります。声で頼みごとを伝える。自分でボタンを押して家族を呼ぶ。小さなことに見えて、「自分から動けた」という感覚は、その人の毎日を支えます。

介護の道具は、できないことを代わりにやるだけではなく、できることを守るためにもある——かんたん家族サポートは、そういう道具でありたいと思っています。

家族のかたへ

設定は5分です。あなたの呼び名と連絡先を入れて、ブックマークして、「困ったらこれ押して」と渡すだけ。入力した情報はその端末の中だけに保存され、外部には送信されません。

かんたん家族サポートを開く(無料・登録不要)

そして、渡せた日の夜は CareQuest に「サポートページを渡せた」と一行残してあげてください。それも今日の、立派なひとつです。

かんたん家族サポートは生活支援ツールであり、医療機器ではありません。ボタンから開く各サービス(ChatGPT・LINE・Chrome リモートデスクトップ等)はそれぞれ別の会社の提供です。

今日も、読んでくださってありがとうございます。