「全部そろえなくて大丈夫」——アプリが「完了」を決めるのをやめた

「23 / 28個」という進捗バーを、まるごと消しました。分母はアプリが勝手に決めた数字で、本人が立ててもいない目標に向かって静かに急かしていたからです。完了は、本人だけが決められる。

CareReadyには、進捗バーがありました。「23 / 28個」。全部チェックしたら紙吹雪。よくある形です。それを、まるごと消しました。

理由は、バグではないバグでした。「28」は、アプリが勝手に決めた数字だったのです。

持ち物リストは、いろんな人・いろんな場面をまとめた「あれもこれも」の一覧です。全部が全部、その人に必要なわけではない。だから「23 / 28」は「82%できた」ではなく、「アプリが“足りない”と決めた5つが残っている」という意味でしかない。つまりあの進捗バーは、本人が立ててもいない目標に向かって、静かに急かしていたわけです。

準備をしている人は、たいてい何かの合間に、限られた時間でやっています。そこへ「まだ終わっていませんよ」と言ってくる道具は、正直、いらない。

進捗と、完了は、別のもの

考え方をこう整理しました。

  • チェックするのは「進捗」。忘れないための、済んだことの覚え書き。
  • 「完了」は、本人だけが決められること。アプリが宣言してはいけない。

そう分けたら、いろいろ要らなくなりました。分母をやめて「◯個そろえた」と、増えていく数だけにする。完了は「🎈 準備できた!」を自分で押したときに、はじめてお祝いする。

帰ってきたときも同じ

おかえりのチェックも変えました。家に帰ってきてから「0 / 12個」と数えられると、全部確認するまで“できていない”気分になる。でも本当に大事なのは、「施設に忘れ物をしてこなかったか」だけ。だから帰宅後は数えるのをやめて、「わすれたら困るもの」——眼鏡・補聴器・入れ歯・保険証・お薬——だけを上に出し、あとは「その他も見る」にたたみました。

画面には、こう書いてあります。「ぜんぶ揃えなくて大丈夫、気になるものだけで大丈夫です」

数えるのは便利な機能です。でも同時に、小さな「命令」でもある。ただでさえ誰かのために責任を背負っている人に、道具からもう一つ「まだだよ」を足すのは、やめようと思いました。

——できたことを見せる。足りないものは数えない。終わりは、本人が決める。

私たちが作っている CareReady も、「終わらせる」より「本人の準備が整う」ことを中心に置いています。家族向けの持ち物チェックはすでに公開していて、無料でそのまま使えます。

公開中の CareReady について

CareReady は介護の持ち物準備を支える生活支援ツールであり、医療機器ではありません。持ち物や薬の準備は、利用先の施設の案内と医師・薬剤師の指示を優先してください。

今日も、読んでくださってありがとうございます。