介護の持ち物アプリに、ダークモードをつけた話 — 文字が読めなくなった失敗から

持ち物チェックアプリ CareReady にダークモードをつけました。ところが背景を暗くしただけでは、持ち物の文字が読めなくなる。明るいカードに明るい文字=白い紙に白い字、という失敗と、その直し方の話です。

介護に通う日の朝は、持ち物の確認から始まります。タオル、着替え、口腔ケア用品、そのお薬。毎回同じようでいて、行き先によって少しずつ違う。忘れると本人が困るのに、忙しい朝ほど記憶に頼ることになります。

私たちが作っている CareReady は、その持ち物を行き先ごとに確認するための、家族向けのWebアプリです。すでに公開していて、どなたでも無料で使えます。デイサービスやショートステイなど、どこへ行く日かでリストが変わります。ログインは要らず、入力した内容は端末の中だけに残ります(そのぶん同期やバックアップはありません)。

そのCareReadyには、2つの顔があります。ふだんのライトモードは、やわらかいパステルの「シール帳」みたいな画面。文字が読みやすく、見ていて気持ちが明るくなる、昼のやさしい雰囲気です。もう一つのダークモードは、最初はただ背景を暗くしただけでした。

でも、使ってくれる人にこう言われました。「ダークモードも、ダークモードなりに楽しい感じにならない?」

もっともだと思いました。介護の準備は、夜にやることも多い。子どもを寝かせたあと、自分の時間が終わったあと、暗い部屋でスマホを開く。そのときに味気ない真っ暗な画面より、開くとちょっとワクワクするほうがいい。

夜の“パーティ”にしてみた

そこでダークモードを、夜の楽しいパーティに作り直しました。

  • 背景は、濃い紫から紺へ流れる夜空のグラデーション
  • 持ち物のカードは、カテゴリーごとに色が違うまま、ふわっと光る(👕はローズ、🧼はブルー…みたいにネオンっぽく)
  • ロゴは、暗闇でお月さまみたいにほのかに光る

同じアプリなのに、昼は「やさしいパステルの部屋」、夜は「小さなお祭り」。気分に合わせて選べます。

でも、いちばん大事なのは“読めること”

派手にする前に、実はつまずきがありました。ダークにしたら、持ち物の文字が読めなくなったのです。

原因は地味でした。カードの色は明るいパステルのまま、文字の色だけが「暗い背景用の明るいグレー」になっていた。つまり明るいカードに明るい文字=白い紙に白い字の状態。派手さの前に、まずここを直しました(カードを暗い色にして、明るい文字が映えるように)。

見た目を楽しくするほど、読みやすさを最後まで手放さないことが大事だと、あらためて思いました。楽しいけど読めない、では道具になりません。

楽しさも、道具の一部

介護の道具は「正しく動く」だけでいい、とは思っていません。夜、疲れて開いた画面が、ほんの少し明るい気持ちにしてくれる。それも立派な機能だと思います。ただし——子ども扱いはしない。パステルもネオンも、あくまで“やさしいけど対等”の範囲で。にぎやかにしすぎず、でも味気なくもせず。

昼はパステル、夜はパーティ。どちらの時間に開いても、準備がちょっと楽しくなるように。二つの顔は、そのために作りました。

——道具は、正確さの隣に、その時間に合った気分を持てる。

CareReady はすでに公開しています。家族向けの持ち物チェックは、いま開いてそのまま使えます。そのうえで改善は続けていて、ダークモードの配色も、身近な家族に使ってもらいながら直しているところです。「ここが読みにくい」があれば、それがいちばん助かります。

(施設側の管理画面と、施設から家族までの一連の流れは、まだ限られた範囲で検証している段階です。)

公開中の CareReady について

CareReady は介護の持ち物準備を支える生活支援ツールであり、医療機器ではありません。持ち物や薬の準備は、利用先の施設の案内と医師・薬剤師の指示を優先してください。

今日も、読んでくださってありがとうございます。